手術による男性機能の低下とFT比

前立腺ガンは男性のガンの約7分の1を占めると言われており、決して珍しくない病気です。PSA検査は前立腺ガンを発見する有力な方法のひとつです。PSAは受精に重要な役割を果たすタンパク質の一種です。前立腺ガンの人は、血液中のPSAの値が異常に高くなることが知られています。
PSAには結合型と遊離型の2タイプがあり、その比率をF/T比といいます。F/T比は前立腺ガンの可能性を知らせる指標になります。ガンではなく単なる前立腺肥大や、その他の感染症などでもPSA値は上昇します。そこでPSA値が高く、かつF/T比が低いほど、ガンである可能性が高いと診断されます。
前立腺ガンは早期に発見できれば、手術によって治療できる確率が高い病気です。しかし下腹部の手術を行なうと、その影響で男性機能に障害が出ることがあります。前立腺は特に陰茎に近く、勃起に関係する重要な血管や神経が集中している部分です。ここが傷つけられると、海綿体に血液が流れにくくなったり、勃起神経が遮断されたりして、男性機能不全の原因になります。
手術の際には、できるだけ無関係の血管や神経は傷つけないようにするのが普通です。しかしガン細胞を完全に取り除こうとすると、周辺の健康な部分も切除せざるを得ない場合があります。さらに、そういう情報を知っていると疑心暗鬼に陥って、精神的に勃起不全になってしまうこともあります。
手術の影響による男性機能の低下にも、ED治療薬は効果を発揮するという研究結果があります。誰にでも100%効くとは限りませんが、前立腺切除術を受けて勃起不全に悩んでいる方は、専門の医療機関で相談してみると良いでしょう。勃起不全は年齢のせいだけとは限りません。